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若井田 育夫; 大場 弘則; 平等 拓範*; 池田 裕二*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉においては、事故炉内からの溶融燃料デブリ等を取り出すという世界的に類例のない作業を安全かつ円滑に実行することが求められており、大規模取り出し時における汚染物や燃料デブリの分別・事前スクリーニングや、デブリ取り出し後の確認サーベランスが重要な課題となっている。特に予測によらない実測値に基づくその場での判断は、廃炉工程のみならず、作業の安全・安心に不可欠である。しかし、損傷炉内では、数百gy/hからkGy/hとも予測される高放射線場の極めて過酷な環境であることから、直接かつ簡便に分析する手法は確立されていない。そこで、JAEA/CLADSでは、光をプローブとして光で分析する遠隔分析法としてLIBSに着目し、レーザー光の遠隔搬送に耐放射線性光ファイバーを使用したファイバーLIBS法を提案して、ウラン含有模擬デブリの分析性能や、高放射線環境での性能評価を行っている。Ce酸化物を使用し、混合酸化物(Ce, Zr, Fe)中にGdを少量添加させた焼結試料を調製してGdに関する検量線を取得した。優れた直線性から半定量的分析が可能であり、検出下限として数100ppmが得られること、線量率に依存しない検量線から、10kGy/hまでの高線量率環境下でも線量のない場合と同様な分析特性が得られることが示された。講演では、手のひらサイズの超小型レーザーをプローブの先端に配置し、50mを超える長尺搬送を実現するマイクロチップレーザー利用ファイバーLIBSプローブや、レーザー誘起プラズマをマイクロ波により維持することで原子発光強度を数百倍増強する技術についても紹介する。